バーラ先生の特別授業

VAATHI (2025公開)

【監督】
 ヴェンキー・アトゥルーリ
【出演】
 ダヌシュ、サムユクタ、サムドラカニ、スマント
 

【物語】
 高校生たちは、居眠り、落書きと、退屈な授業に辟易としていた。それでも出された宿題を何とかしないといけない。閉店となった祖父のビデオショップの片付けをしていると、ちょうどその問題の解き方を説明しているビデオを見つけた。

 「この人に教わった方が勉強がよく分かる」と、3人の少年がその先生を探し始めると、行政長官のクマールさんにたどり着いた。彼らは、そこでバーラ先生の話を聞くことになる‥

 90年代、インドは経済自由化に伴い急激に発展。教育熱も高まった。裕福な家の子は私学や予備校に通い、成績を上げた。一方、公立校は、有能な先生は私学にスカウトされ、低層家庭の子らが通う場所となっていた。

 不公平を一応是正する策として、公立校に複数の教員を配置することとなった。その1人、バーラ先生(ダヌシュ)は、チョーワワラム村に派遣されることとなった。

 赴任初日、大勢の生徒を前に自己紹介。生徒たちの目は輝いている。やりがいがありそうだ。しかし2日目、教室には1人の生徒も来なかった。

 この村は貧しく、親は「学校に行く暇があれが仕事を手伝え」「学んでも身分は変わるもんじゃない」「どうせ結婚するだけだから勉強なんていらない」と言う。

 しかし、バーラ先生は古参の同僚に、「この教室を生徒でいっぱいにしてみせる」と宣言するのであった‥

【かえる先生のコメント】
 インド版金八先生、はたまたインド版スクールウォーズ!

と言うと、軽くなっちゃいますが、もっと真面目で背筋が伸びる真剣な話、それでいてエンタメ性も高い、見応えのある教育映画です。

 まずは私学と公立の教育格差。このインドのお話では、利権が絡んで政治家や経営者がぐるになって私学を優遇していました。バーラ先生は、貧しき子供が学業で自分の未来を切り開けるよう導きます。カッコいい!

 そしてカースト制度。村の子供もカーストの違う同級生と同じ教室にはいられないという態度でした。それを問答無用のやり方で諭すバーラ先生、カッコいい!

 中盤に、私学サイドが圧力をかけてくる展開になります。それに屈しないで、文字通り叩きのめすバーラ先生、カッコいい!

 そして物語のクライマックスに向けての熱さ、同僚女性との恋、もちろんインド映画ですからダンスと歌。満点です☆

★★★★★

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