アントキノイノチ

アントキノイノチ (2011公開)

【監督】
 瀬々敬久
【出演】
 岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、柄本明、檀れい、松坂桃李、染谷将太、津田寛治、吹越満

【物語】
 父とともに、初めて働く自分の職場にやってきた永島杏平(岡田)。彼の心は、時折3年前の高校生にフラッシュバックする。
「ぼくは、親友を2人“殺し”ました」

 仕事は、遺品整理業。孤独死などで亡くなった家の物を、遺品と処分する物に分けながら片付けをする仕事だ。上司の佐相さん(原田)と、先輩の久保田ゆき(榮倉)とともに、初めての仕事に出かけた。
 死後1ヶ月経つ家の状況にも動ぜず、淡々と仕事をする杏平。

~(過去)
 生まれつき吃音を持つ杏平は、そのことでからかわれ、びくびくしながら友達との付き合いをするような高校生だった。

 熱帯魚を通じて仲良くしていた友達の山木(染谷)も、教室では杏平を守らない。ネットでは、魚しか相手をしてくれないキモいやつと中傷される山木もまた孤独だった。
 2人をいじめの対象としている張本人が松井(松坂)であることをつきとめた山木は、驚くべき行動に出た…


 遺品整理中に心が落ち着かなくなり、現場をかけ出す杏平。心配して後を追うゆき。そんなゆきも、心に大きな傷を負って生きていた。

 そして、内面に閉じこもる2人の心が、少しずつ通い合っていく… 

  
【かえる先生のコメント】
 切ない、切ないドラマです。

 プロレスファンであった私には、この映画のタイトルは琴線に触れます。そして秋は泣ける映画の見たくなる季節。楽しみにしていました。

 抜群に良かったのは、岡田くんの演技。とてもとても繊細な青年役を好演しています。今の自分から抜け出したくてもがく姿や、あきらめ流されるままの姿に、自分も心を痛めるような思いを持ちました。

 榮倉さんは、天真爛漫で目に輝きのある性格の良さそうな人に思ってましたが、この作品では、陰りのある役を演じています。輝きを失ったままの目が切ないです。

 仕事の場面は、「おくりびと」を彷彿させます。大変な仕事ですね。
 GreeeeNの主題歌が良かったです。

 泣ける映画というか、心が痛くなる映画でした。「元気ですか!」と言われましたが、微妙かも。

★★★☆☆


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