異端者の家

HERETIC 2025公開

【監督】
 スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
【出演】
 ヒュー・グラント、ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト

【物語】
 2人の若い女性バーンズ(ソフィー)とパクストン(クロエ)はモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)の信徒。

 教会の指示に従って、今日も数件のお宅に出向き、信者拡大を目指していた。途中、今時の若者に「魔法の下着を見せてみな!」とからかわれるも、信仰心は捨てない。

 午後遅く、今日最後の訪問の家に着くと、雨脚が強くなった。玄関に出てきたのは、リードさん(ヒュー)。気さくで、宗教にそこそこの関心をもっている様子だ。「雨も強いから中で話しませんか?」と促されたが、「家に誰か女性はいませんか?女性がいない家には入れませんので‥」とやんわりお断りする2人。

「妻ではダメ?」と言うリードさんの言葉に安心し、2人は応接室へと案内された。

 明るいパクストンは、リードさんと会話を弾ませ、段々と宗教勧誘の方へと話を持っていくが、リードさんは「ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も、どの宗教も真実とは思えない」と切り出し、予想外に博識であることを披露する。

 そして「君たちは一夫多妻制をどう思う?」と投げ掛けられたあたりから、バーンズは居心地の悪さを感じる。どうも、この人の思想は怪しげだ。「あの、奥さんとお話したいのですが‥」と切り出し、リードさんが奥の部屋へ行った隙に帰ろうとするが玄関の鍵が開かない。私たちは監禁されたの??

 戻ってきたリードさんに、「教会から戻るように電話があったので」と懇願するが、奥の部屋に連れて行かれる。そこでリードさんは、宗教についての持論を演説し始めた。

 このヤバい老人から、2人はどう逃れたらよいのだろうか‥

【かえる先生のコメント】

 予告だと、「キューブ」のように迷路のような家に監禁された女性の脱出スリラーだと思いましたが、全然違う。めっちゃ宗教論争の激しい、心理スリラーでした。

 ホラーで潮流に乗るA24作品。それにヒュー・グラントというラブコメの帝王がサイコパスを演じるという意外性。そこにつられて鑑賞しました。

 ヒュー・グラント大好きなんですよ。ところが、ああ、見なきゃ良かった(>_<)もう今までの作品を純粋に見られないと後悔するヤバい演技でした。

 作品の中心となる宗教論争ですが、全く宗教には関心が薄い私には、内容が入ってこない。キーワードとなった“魔法の下着”は、鑑賞後に調べてみると、モルモン教に由来する神聖な下着のことでした。宗教の分派の説明で、サイコパスさんはボードゲームの“モノポリー”を使って説明されましたが、そこらへんは分かりやすかったです。ヤバい、洗脳されてしまう(>_<)

 心理スリラーとは言いましたが、中盤からは怖い痛い系の描写も多くなります。若い2人の女性なら老人1人やっつけて、ドアとかぶっ壊して逃げられたようにも思いましたが、そこはツッコまないでおきましょう(笑)

★★★☆☆

 

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