Where the Crawdads Sing 2022公開

【監督】
オリヴィア・ニューマン
【出演】
デイジー・エドガー=ジョーンズ、テイラー・ジョン・スミス、ハリス・ディキンソン、ギャレット・ディラハント、アーナ・オライリー、デヴィッド・ストラザーン
【物語】
ノースカロライナ州の湿地帯で、青年の死体が発見された。直ぐ傍の物見櫓から落下したようだ。保安官が物見櫓を調べると、一カ所床板が外れているところがあった。これは事故か、事件か。
保安官は町の噂を元に、湿地帯に住んでいるという女性の家を訪ねた。すると、現場に残っていた赤い毛糸と同じような色の帽子が発見された。と、人影が。保安官たちは、ボートで逃げるその女を追い詰め逮捕した。
女はカイア(デイジー)と言い、湿地帯に一人で住んでいるという変わり者だった。弁護士のミルトン(デヴィッド)が、面会に来た。ミルトンは、とある理由から、カイアの弁護を引き受けることを決めたのだった。
何も語らず、なるがままでいいというカイアに、ミルトンは言った。「君を助けるために、君のことを話してくれないか」
そして回想
幼き日のカイアは、優しい母と多くの兄姉に囲まれ、湿地で家族だけの生活を過ごしていた。しかし、父のDVに耐えかね、精神を病んだ母は、ある日突然家を出て行った。兄や姉も、一人また一人と父の元を去った。
最後に、一番年の近かった兄が去るとき、こう言った。「母の言葉を思い出すんだ。父が怖いときには、『ザリガニが鳴くところ』まで逃げるんだ」
父と2人暮らしが始まった。父は他人との接触を禁じたため、町へも学校へも行けない。唯一、雑貨屋の店主とは、仕事の関係で関わりがあり、カイアもその雑貨屋の夫婦とは顔なじみとなった。
ある日、カイアが一人で湿地で獲ったムール貝を持ってきた。トウモロコシ粉とガソリンに交換して欲しいと頼まれた雑貨屋は、「お父さんは?」と尋ねた。「家にいる」と答えたカイアだったが、実は、父までもカイアを残して消えてしまったのだ。
こうして、まだ小学生の年頃のカイアは、一人で生きていくことになったのだった…
【かえる先生のコメント】
タイトル、ポスター、そして予告の出来が良く、観に行きたくさせられました。
私は知りませんでしたが、原作小説が2年連続アメリカで最も売れた小説だそうです。
青年の死の真相をめぐり、犯人と疑われた女性の法廷劇と思いきや、そんな感じで進むのは全体から見たら4分の1以下。作品の大半は回想シーンで、主人公カイアの、少女時代、青春時代の成長を描いた展開となっております。
いやあ、悲惨な育ちですよ。“湿地の女”と町の人から疎んじられ、一度だけ行った学校では、速攻いじめの的に。小学生にして、野性のものを採取してお金に換えて生きていくんです。
おそらくいつか母が帰ってくるからと、湿地を離れずに住み続け、保護施設の入所を拒否していました。そのうちに、湿地に住むこと自体に心地よさを感じた様子でした。
この憐れな少女が、美しく成長すると、町の男たちが言い寄ってくるのです。最初に登場する死体は、その一人なわけですね。
法廷劇という楽しみ方もありますが、この風変わりな女性の生き方そのものが、作品の中心となっていたと感じました。この主役を演じたのは、24歳のイギリス女優さん。これから売れるかもと思わせる、良い演技でした。後は、弁護士の老人が良かったです。
タイトル、ザリガニが鳴くかあ…。小学生の頃に、ザリガニ釣りによく行ったけど、鳴いてたかどうか記憶が無いなあ。記憶に鮮明に残るのは、ザリガニ釣りの餌にするため、道中で道端にあふれるほどいたカエルを、地面にたたきつけて弱らせ、その足を紐で結んで、池に投げるという釣り方でした。カエルさん、ごめんなさい(>_<)
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