TAR (2023公開)

【監督】
トッド・フィールド
【出演】
ケイト・ブランシェット、ニーナ・ホス、ノエミ・メルラン、ソフィー・カウアー、アラン・コーデュナー、ジュリアン・グローヴァー、マーク・ストロング
【物語】
リディア・ター(ケイト)は、ベルリン交響楽団の主席指揮者に昇り詰めた。女性として初の快挙であった。作曲家としても、アカデミー、グラミー、エミー、トニー賞を受賞。ジュリアード音楽院で、若手を導く仕事も請け負っていた。
ターの目下の目標は、マーラーの交響曲第5番のライブ録音だ。この曲は、ベルリン交響楽団が唯一録音を果たしていない曲。マーラーの曲を愛するターには、やりがいのある目標であった。
そんな折、ジュリアードでの講義でのことであった。緊張のため貧乏揺すりが止まらないマックスという青年に目を留め、ターはその音楽観を問い質した。自分がパンジェンダーのため、女性差別者であったバッハの曲は好きじゃないと答えるマックス。
ターは、自分もレズビアンだが、その志向を音楽の善し悪しに持ち込むのはどうだろうと諭すが、マックスはそれを受け入れず退室してしまった。
ベルリンへの帰途、アシスタントのフランチェスカ(ノエミ)は、元教え子のクリスタから何か切迫したメールが届いていることを報告する。自宅に戻ると、パートナーでコンサートマスターでもあるシャロン(ニーナ)が、情緒不安定になっている。薬を飲ませ落ち着かせるター。娘のペトラも、学校で移民いじめに遭っているという。
様々な問題に悩まされるターであったが、持ち前のバイタリティで、それらに対応するのであった。
ライブ録音に向け練習を重ねる日々。欠員が出たため、新たな奏者をオーディションすることになった。その中にいた、オルガ(ソフィー)という娘は、ターに対し臆することもなく、堂々とチェロを演奏し切った。物怖じしないオルガに、ターは興味を持つのであった…
【かえる先生のコメント】
予告編が面白く、知識の無いまま鑑賞。で、150分超えの本作に翻弄されまくりました。本作は、鑑賞後に解説サイトを読んで、やっとテーマ性が分かり、作品の主題に思いを浸らせてくれるといった映画です。(理解力に難ある私には、ですね(^_^;)
まずは、冒頭。いきなりエンドクレジットが流れ、??となります。そしてインタビューシーン。これでターの人となりが分かるって寸法ですが、長くない?
そんな感じで、会話シーンとか長くて(ケイトさん、よく台詞覚えたもんだぜ!さすがゴールデングローブ女優賞)、その割に、何やら肝心なことは説明不足で、ターの状況が分からない。
こんな感じで、くどいシーンと説明不足シーンのバランスが悪く、鑑賞中どんどん置いて行かれます。これもまた観客を不安にさせるテクニックだったのでしょうか?
中盤頃、「外れだな、二度と見ないなこの映画」と、ぼそっと思うのですが、最後にえっ?という終わり方をし、その解釈を求めて、解説サイトを読み、「そういうことだったのか!もう一度見て確認しよう」ってなりました( ̄∇ ̄)
気になったけど、解説サイトは読まないで見たいという方は、下記の点だけ押さえて見てはいかがでしょうか?
・ターは実在しない、架空の人物である。(私は本当の女性初主席指揮者の伝記と勘違いしてましたwww)
・ターは音に敏感。不調和な雑踏音、ノックの音など自分がコントロールできない音を嫌う。
・パートナーのバイオリン弾き、秘書の女性、教え子など、ターは、立場を利用し性的搾取をしているようだ。
・クリスタという名前だけ出てくる子は、元学生の教え子。
★★★☆☆
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