TAXI DRIVER (1976公開)

【監督】
マーティン・スコセッシ
【出演】
ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル
【物語】
ニューヨークのタクシー会社に1人の男が現れた。働きたいというトラヴィス(ロバート)は、元海兵隊と身分を伝え、不眠症なので、夜間の仕事を求めてきたと言う。
採用された彼は、夕方6時から明朝6時まで、週6日勤務を喜んでこなす。他のドライバーが敬遠する、歓楽街やスラム街、黒人の客でも構わず客をとる。
そんなトラヴィスではあるが、車を流しながら、「この町は汚れている。麻薬や売春、薄汚い人間が多すぎだ」と嫌悪感を抱いていた。
こんな街でも、ひときわ輝く女性を見つけた。次期大統領選に出馬しているパランタイン上院議員の選挙事務所で働くベッツィ(シビル)だ。
事務所まで出向いて声を掛けると、コーヒー1杯の付き合いを承諾してくれた。トラヴィスは政治も音楽も疎く、難しい話はできないが、愛嬌ある応対が良かったのか、デートの約束も取り付けられた。
また、ある日、突然タクシーに飛び乗ってくる少女(ジョディ)に驚かされた。「早く逃げて!」と訴えるのだが、すぐに男がやって来て「すまんね、引き取るわ」と言って少女を連れて行った。
他にも、自分の女房が浮気している現場で何分も停車させる客、パランタイン上院議員その人、様々な客を、トラヴィスは運んでいたが‥
【かえる先生のコメント】※ネタバレ多め
デ・ニーロとスコセッシ監督の名コンビにより、カンヌのパルム・ドールを受賞した名作。13歳のジョディ・フォスターが娼婦役を演じたことでも有名です。
むか~しテレビで見た記憶はほとんど薄れ、今回きちんと見直しました。
社会に溶け込めなかった男の鬱屈。「自分はちっぽけじゃない」というような承認欲求が沸き上がり、どでかいことを為そうとする人間を描いています。
昨今の事件をニュースで見ると、”タクシードライバー”的行動に思えてきます。社会にのれなかったからと恨まれても、こっちはこっちでいろんな事に耐えて、努力して、もがいて今があるんですよ。それを安穏と平和に暮らしてると勝手に思われてもねぇ‥。
トラヴィスがやろうとした弩デカいことは、大統領候補の暗殺。これも政治的思想によるものではなく、多分あの女に一泡吹かせたい程度に思えました。政治家は汚いから殺す?貶す?いや、そのバイタリティで自分が政治家になって世を変えてくださいよ。
そっちが上手くいかなくて、ラストの出来事になったか、元々予定はしていたのか‥いずれにしても、これをヒーローとしたら「ジョーカー」のように、辛抱足らない人に悪影響ではないかと思えてしまいました。
という不安定な精神状態の男を演じきったデニーロの演技が本当に素晴らしい!カメラワークも今見ても色褪せない出来の良さ!名コンビの傑作ですね☆
*お家鑑賞(評価なし)*
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