WHIPLASH (2015公開)

【監督】デイミアン・チャゼル
【出演】マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー、メリッサ・ブノワ、オースティン・ストウェル
【物語】
名門音大のシェイファー校へ進学したニーマン(マイルズ)は、ジャズドラマー。バディ・リッチのような偉大なドラマーになることを夢見て、個人レッスンに励む日々。
ある日、練習中に顔を覗かせたのは、本校で一番の教師フレッチャー(シモンズ)。いくつかの演奏をニーマンに要求したものの、気付けば先生は退室していた。がっかり…
しかし、そのフレッチャー先生から遂にお声がかかった。彼に認められることは超一流の証。ニーマンは、意識していた女の子(メリッサ)をデートに誘うほど、テンションが上がった。
そしてフレッチャー先生率いるスタジオ・バンドの練習に初参加した。しかし、正規ドラマーの控えであった。譜面めくりをしながら、練習に参加していると、何だか異様な緊張感。
トロンボーンのピッチが違うと怒り出すフレッチャー先生に、目を丸くするニーマン。
どぎまぎするニーマンに、フレッチャー先生はドラムの交代を告げた。新人の彼を皆に紹介し、「音楽を楽しめ」と声をかけ、『WHIPLASH』の練習を始める。
ところが、開始早々ストップ。「ドラム、テンポが違う。やり直し」 「違う、やり直し」 「ちが~う!! や・り・な・お・し!!!!」
椅子を投げつけられ、家族を罵倒され、ドラムの交代を告げられた…
完璧主義者のフレッチャーを見返そうと、時間の全てを練習に費やし、彼女とも別れ、手に血豆を作りながらも、控えドラマーのポジションはなかなか変わらない。
焦りを募らすニーマンだったが、ある出来事で、再び正ドラマーへのチャンスをつかんだ。
【かえる先生のコメント】
ドS教師の話。この狂気の演技を魅せたシモンズさんは、アカデミー助演男優賞を受賞されました。
予想として、「愛と青春の旅立ち」の軍曹とリチャード・ギアのような関係で、師弟2人の絆を描くという展開を予想していました。なのに、思いもしない展開で、口があんぐりと…
シモンズ先生の名言がいくつも飛び出しますが、中でも「Good Jobほど最悪な言葉はない。その言葉で満足したら終わりだ」
才能を磨くために、とことん追い詰めるシモンズ先生。生半可な合格レベルでは褒めてくれないのは当たり前。ミスれば、精神的な追い詰め方がハンパない。
これが身の回りで起きたら、何とかハラスメントで先生はクビですね。でも、超一流レベルだと、そのくらいのせめぎ合いを乗り越えるものかと、鑑賞中にいろいろと思考が揺れました。
本物が本物を育てることに、口出しはできないのだろうかと。
自分も音楽を少しかじった身であるため、シモンズ先生の「ストップ」がかかりそうなシーンで、先読みをしながら音楽を聴いていましたが、さっぱりシモンズ先生の駄目出しが分からない。
「テンポが遅い!」 「いやあ、どこ?」と、2流ですらない自分には、別次元。音楽の高みを経験された方のようには、違いが分かりません。
それでもラスト9分ほどの演奏には圧倒されました♪
★★★★☆
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