カッコーの巣の上で

One Flew Over the Cukoo’s Nest (1976公開)

【監督】
 ミロス・フォアマン
【出演】
 ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、ウィル・サンプソン、クリストファー・ロイド、ダニー・デヴィート、ブラッド・ドゥーリフ

【物語】
 1963年、オレゴン州立精神病院。約20人が入院しながら社会適応の道を探ったり、或いはここで人生を送ったりしている。

 そこに、新たにマクマーフィ(ジャック)という男がやって来た。数回の犯罪行為を繰り返したことで、精神状態を鑑定するために送られたのだ。院長は彼にこう言った。

「本当はまともで、刑務所の強制労働を避けるために、わざとおかしいふりをしているのか見極めさせてもらう」と。

 お喋りなマクマーフィは、入院仲間に気さくに声を掛けるが、反応のない者、おどおどするばかりの者、生気の無い者ばかりなことに驚く。

 ここでは、看護師長ラチェッド(ルイーズ)がグループセラピーを行っていた。この日は賢い患者の妻との関係をディスカッションしようとしたが、他の患者たちの反応は薄い。

 休憩時間に運動場でバスケを始めるマクマーフィは、チーフ(ウィル)という大男に目をつけプレーに誘うが乗ってこない。皆の話だと耳が聞こえないし喋らないそうだ。

 そんな者たちばかりだったが、マクマーフィは好き勝手に皆を巻き込み始め、気付けば皆のリーダーのような存在になっていった。

 ある日、マクマーフィはチーフの巨体を生かし塀を越えると、許可者だけが許されている外出バスを奪い、皆を遊びに連れ出すのだった…
 


【かえる先生のコメント】※ネタバレ多め

 アカデミー作品、監督、主演男優、主演女優賞等を獲得した、ジャック・ニコルソン渾身の名演です。

 精神病院が舞台。患者たちが医師らに抑圧されていて、それを疑問にも思わない状態を、外から来たジャックがかき乱し、患者の何人かが意思表示を示すようになっていく様子が描かれています。“カッコーの巣”とは、精神病院の蔑称だとWikiには書かれています。

 見る前は、病院の冷たい管理主義が悪であることを描いていると思っていましたが、そこまで看護師長が悪者には思えませんでした。令和の今ではインクルーシブという考え方ですが、特性の在り方によっては、専門性のある場所で見守られながら過ごすこともありだと思うのです。看護師長が管理するのが楽だから患者を束縛しているのならアウトですが、社会復帰のためにグループセラピーに可能性を見いだしているとも捉えられました。難しいところです。

 他にも、精神異常ならば刑に問われないという問題。これは私は懐疑的。猟奇的な傷害を起こす人は全て精神異常に思えるのでね。全員無罪って事になるの?と。

 後はラストのジャックの処置。ロボトミーですね。これは「コータローまかりとおる」「ブラックジャック」という名作マンガから知識がありました。このラストがあるので、病院側が叩かれても仕方なしです(>_<)

 そこは刑務所送りにしたらいいじゃん。でも、それだと映画としては弱いんだよねぇ。

 狂った演技が天才的なジャック。初めはとことん嫌な奴なのに、他の患者への接し方を見ているうちに、ジャックこそ正義のように思わせる瞬間があり、まあ凄いです☆

 余談としては「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の博士と、「バットマン」のペンギンが出演しています。分かるかな?

※お家鑑賞(評価無し)※


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